「すぐ辞めるのは根性なし」は嘘。5回辞めた私が罪悪感を捨てられた理由
「辞めたい。でも、こんなに早く辞めたら根性なしだと思われる」
その罪悪感、痛いほど分かります。でも先に結論を言わせてください。その罪悪感は、あなたを守ってくれません。守られるのは会社だけです。
私は20代の頃、5回ほど転職しました。今よりずっと「辞める=悪」の空気が強い、ネットも転職サイトもない時代です。「石の上にも三年」「最近の若いやつは」と、耳にタコができるほど言われました。それでも辞め続けた人間として、罪悪感の正体について書きます。
罪悪感の正体は「あなたの気持ち」ではなく「他人の言葉」
冷静に考えてみてください。「辞めたら申し訳ない」という気持ちは、どこから来たものでしょうか。
- 「石の上にも三年」──昔からのことわざ
- 「すぐ辞めるやつは信用されない」──上司や先輩の言葉
- 「せっかく入れたのに」──親の期待
全部、他人の言葉です。あなたの中から自然に湧いたものじゃない。外から刷り込まれたものです。
一方で「辞めたい」のほうは、毎朝の憂うつ、給料明細を見たときのため息、夜遅くまで拘束される日々から生まれた、あなた自身の本物の感覚です。
他人の言葉と、自分の本物の感覚。どちらを信じるべきかは、言うまでもないと思います。
会社は、あなたが思うほどあなたに義理立てしていない
厳しいことを言いますが、これは5回辞めて確信していることです。
私が辞めてきた会社は、給料が安いか、拘束時間が長いかのどちらかでした。つまり会社側は、安い給料で長く働かせるという条件を、悪びれずに出していたわけです。向こうは条件で私を扱っていた。それなら、こちらも条件で会社を選んでいい。それだけの話です。
あなたが抜けたら会社は困る? 大丈夫、会社は代わりを募集して回っていきます。逆に、あなたが心や体を壊しても、会社はあなたの人生の代わりを用意してくれません。 義理を感じる相手を間違えないでください。

「3年続けた自分」より「5回辞めた私」のほうが良い場所にいた
「とりあえず3年」と言う人に聞きたいのですが、合わない場所での3年で何が手に入るのでしょうか。
私は3年我慢する代わりに、合わないと分かった時点で次を探しました。いろいろな職場を渡り歩いて、その結果どうなったか。最後に勤めた会社は、拘束時間が短く、給料もそこそこの、いい会社でした。
偶然ではありません。辞めるたびに「自分は何が嫌なのか」「どういう条件なら気持ちよく働けるのか」がはっきりしていったからです。給料なのか、時間なのか、環境なのか。辞めた回数だけ、会社を見る目は確実に育ちます。 5回の転職に、失敗と呼べるものは特にありませんでした。合わない場所を辞めるのは失敗ではなく、軌道修正です。
罪悪感を手放す、3つの考え方
私が実際にそうやって割り切ってきた考え方です。
1. 辞めるのは「裏切り」ではなく「契約の終了」 雇用は契約です。労働力を提供し、対価をもらう。条件が合わなくなったら終える。ただそれだけのこと。友情や恩とは別の話です。
2. 「逃げ」でいい。逃げるのは生き物として正しい 熱いものに触れたら手を引っ込めますよね。あれを「根性なし」とは言いません。消耗する環境から離れるのは、それと同じ正常な反応です。
3. 罪悪感を持つべきは、むしろ条件を偽った側 求人と話が違う、残業が聞いていた話と違う──そういう会社に対して、あなたが罪悪感を持つ必要はゼロです。先に約束を破ったのはどちらでしょうか。
ただし、辞め方だけはきれいに
罪悪感はいらない。でも、辞め方は別です。これは5回やってきた人間からの実務的なアドバイスです。
- 次を決めてから辞める。 収入が途切れないことが、心の余裕になります
- 就業規則どおりに退職を申し出て、引き継ぎはちゃんとやる
- 不満をぶちまけて辞めない。去り際は静かに、事務的に
きれいに辞めるのは会社のためではなく、あなたが後ろを振り返らずに次へ進むためです。
まとめ:何度辞めても、人生は終わらない
ネットも転職アプリもない時代に5回辞めた私が、今もこうして元気に生きています。辞めることで人生が終わった人を、私は見たことがありません。 消耗し続けて動けなくなった人なら、見たことがあります。
今のあなたには、スマホひとつで求人を比べられて、無料で転職エージェントに相談までできる環境があります。私の時代からしたら夢のような道具です。罪悪感で立ち止まっている時間があったら、まず「今より良い条件があるのか」を見てみてください。見るだけなら、誰にも迷惑はかかりません。 そこから始めれば十分です。