「代わりはいくらでもいる」と言われた私の時代と、20代が3割減った今

2026年8月3日

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私が20代だった頃、職場でよく聞いた言葉があります。

「代わりはいくらでもいるんだぞ」

嫌なら辞めろ、という意味です。当時はそれが脅しとして成立していました。実際、若い人間はいくらでもいたからです。

その時代を生きた人間として、今日はどうしても伝えておきたいことがあります。あなたたちの世代は、もうその言葉が通用しない時代に生きています。 それも、気合いや根性の話ではなく、人口という動かしようのない数字の話として。

20代は、この30年で3割以上減った

数字を見てください。

20〜24歳の人口は、1990年には700万人を超えていました。それが2022年には約460万人。3割以上減っています。

私が「代わりはいくらでもいる」と言われていた頃の若者と比べて、今の20代は3人に1人以上いなくなったということです。しかも少子化は続いているので、この先さらに減ります。

一方で、企業の数はそこまで減っていません。つまり、同じ数の会社が、3割少なくなったパイを奪い合っている。これが今起きていることです。

空席が並ぶオフィスで、窓辺の光の中ひとりだけ働く若い社員

「代わりはいくらでもいる」は、もう嘘になった

だから、断言できます。

今、あなたに「代わりはいくらでもいる」と言う上司がいたら、その人は30年前の世界観のまま止まっているだけです。現実には、代わりはいません。少なくとも、簡単には見つかりません。

その証拠に、企業側は必死です。

  • 初任給を上げる企業が7割近く。平均で年9,462円もの引き上げ
  • 若手採用を「最重要課題」に掲げる会社が増え続けている
  • 20代向けに特化した採用サービスや求人枠が、次々に生まれている

会社が急に優しくなったわけではありません。そうしないと若手が採れないからです。あなたの価値が上がったのではなく、あなたが立っている場所の「希少さ」が上がった。前にも書きましたが、価値は場所と時代で決まります。

それでも「自分に価値なんてない」と思ってしまう理由

ここが厄介なところです。市場で希少価値が上がっていても、今いる職場では、そう扱われないことが多い。

理由は簡単で、すでに採用済みのあなたを、会社は「奪い合う対象」だと思っていないからです。会社が必死になっているのは、これから採る新人に対して。すでにいるあなたは、社内の評価と昇給表の中で扱われます。

だから、こういう歪んだことが起きます。

  • 会社は外では「若手が足りない、来てくれ」と言っている
  • なのに社内では、あなたに「代わりはいくらでもいる」と言う

同じ会社が、外と中で真逆のことを言っている。 どちらが本音かは、初任給の金額を見れば分かります。

何のスキルもない、と思っているあなたへ

「でも自分には資格もスキルも実績もない」――そう思うかもしれません。

では聞きますが、あなたには20代であること、そして社会人経験が数年あることの両方が揃っていますよね。それは今の日本で、企業が最も欲しがっている組み合わせです。

  • 新卒:数が少なくて採れない。しかも一から育てる必要がある
  • 20代の経験者:数がもっと少ない。しかも育てる手間が要らない ← あなた
  • ミドル層:人数は多いが、若手の穴埋めにはならない

私が20代だった頃、若手は「安く使えるから採る」存在でした。今は「数が足りないから、金を払ってでも採る」存在です。同じ「20代」という肩書きの値打ちが、時代でこれほど変わる。

これはあなたが偉いという話ではありません。たまたま生まれた時代が、あなたに追い風をくれているという話です。そして追い風は、使わなければ何も生みません。

使い方は、拍子抜けするほど単純です

希少価値を現金化する方法は、難しいことではありません。外に出て、値段を聞くだけです。

社内にいる限り、あなたの値段は昇給表の中でしか動きません。外の会社は、あなたを「奪い合う対象」として値段をつけます。同じ人間なのに、見られ方がまるで違う。

私は5回転職して、これを何度も経験しました。前の職場では当たり前だった働きぶりが、次の職場では「よく来てくれた」と歓迎される。変わったのは自分ではなく、自分を見る側の事情です。

まとめ:あなたは、歴史的に希少な存在です

  • 20〜24歳の人口は1990年の700万人超から、約460万人へ3割以上減少
  • 会社の数は減っていないので、若手の奪い合いが起きている
  • 「代わりはいくらでもいる」は、30年前の世界観。今は嘘です
  • ただし、社内にいる限りその希少価値は値段に反映されにくい
  • 20代 × 社会人経験数年は、今の日本で最も採りにくい人材の組み合わせ

「代わりはいくらでもいる」と言われて育った世代からのお願いです。あなたたちは、その言葉を信じる必要がない最初の世代です。 せっかく時代が味方をしているのだから、一度くらい、自分がどれだけ求められているか確かめてみてください。


自分が今、どれだけ求められているか確かめる

希少価値は、社内にいる限り値段に反映されません。外に出て初めて「奪い合う対象」として値がつきます。

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※数字の出典: ニッセイ基礎研究所「少子化で減り続ける若手社員」 / マンパワーグループ「若手採用が厳しい時代に企業が取るべき対策」